こんにちは♪
アピタ知立ファミリー歯科・矯正歯科です!
舌癌(ぜつがん)は、口の中にできる悪性腫瘍の中でも最も発生頻度が高く、特に舌の側面にできやすいとされています。初期症状が軽いため「ただの口内炎だろう」と見過ごされやすく、発見が遅れることも少なくありません。
実はこの舌癌、歯科の領域とも深く関係しており、歯科医院での定期検診が早期発見のカギになります。本記事では、舌癌の基本情報から、歯科でできる予防・発見・サポートまでを詳しく解説します。
舌癌とは?
舌癌とは、舌の粘膜にできる悪性腫瘍で、口腔癌のうち約60%を占めると言われています。多くは「扁平上皮癌」と呼ばれるタイプで、進行すると舌の深部や周囲のリンパ節へと広がる可能性があります。
舌癌の主な原因
舌癌のリスク因子には以下のようなものがあります:
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喫煙と飲酒:喫煙は舌の粘膜を長期間にわたり刺激し、発癌リスクを著しく高めます。飲酒も同様にリスクを高め、喫煙との併用でさらに悪化。
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慢性的な機械的刺激:尖った歯や合わない入れ歯、歯並びの悪さ、頬や舌を頻繁に噛む癖なども、粘膜に継続的な刺激を与え、発癌の引き金になります。
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ヒトパピローマウイルス(HPV):一部の舌癌は、性感染症として知られるHPVとの関連が指摘されています。
歯科との深い関わり
実は、多くの舌癌の初期サインは歯科医院での定期検診で発見されています。これは、歯科医が口腔内の変化に日常的に接しているためです。
歯科が果たす主な役割:
1. 早期発見
歯科医師は、口腔粘膜の色・形・質感の異常に気付きやすく、通常の治療中に「白板症」や「赤板症」と呼ばれる前癌病変を見つけることがあります。
2. 原因除去
舌に当たっている尖った歯や、合わない入れ歯を調整することで、慢性的な刺激を除去し、癌化リスクを軽減できます。
3. 再発予防と口腔ケア
治療後の舌癌患者に対して、歯科医院では口腔内の衛生管理や機能回復の支援が可能です。特に、手術後の構音障害や摂食・嚥下障害には、歯科衛生士や口腔外科医が関わることが重要です。
舌癌の主な症状
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治らない口内炎・潰瘍(2週間以上続く)
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舌の一部が白っぽい・赤っぽい
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しこり・硬結を触れる
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舌や喉の痛み、麻痺感
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嚥下困難、構音障害(話しづらさ)
これらの症状が見られる場合は、耳鼻咽喉科や口腔外科への早期受診が勧められます。
舌癌の診断と治療
診断には、視診・触診に加え、細胞診(ブラッシング法)、組織生検、CT・MRIなどが用いられます。治療は、進行度により以下が選択されます:
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手術療法:早期であれば部分切除、進行例では広範囲切除と再建が必要。
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放射線治療:舌に直接照射、局所制御が目的。
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化学療法:進行癌や再発例で用いられることが多い。
まとめ:歯科医院で守れる命がある
舌癌は「歯科領域とがん治療の交差点」にある疾患です。特に初期は無痛であるため、痛みが出てからでは手遅れになるケースもあります。
だからこそ、次のことが重要です。
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定期的な歯科検診で口腔内の異常をチェック
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合わない入れ歯や尖った歯の放置はNG
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口内炎が2週間以上治らない場合はすぐ受診
口の中は自分では見づらい場所です。異変に早く気付くためにも、ぜひ「年に2回は歯科健診」を意識しましょう。