皆さんこんにちは♪
アピタ知立ファミリー歯科・矯正歯科です🦷
毎日何気なく使っている歯磨き粉。パッケージに「フッ素配合」と書かれているのを見たことはありませんか?
「むし歯予防にいいって聞くけど、フッ素って結局何?」「子どもに使って大丈夫なの?」
そんな疑問を持っている方のために、今回は歯科分野におけるフッ素の役割と正しい使い方について解説します。
フッ素とは?どうして歯にいいの?
フッ素(fluoride)は、自然界に広く存在する元素で、岩石や水、動植物にも微量に含まれています。歯科で使われるフッ素は、正確には**フッ化物(fluoride ion)**と呼ばれ、ナトリウムやスズなどと結びついた安定した化合物の形で利用されます。
フッ素のむし歯予防効果は3つ!
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歯の質を強くする
歯の表面は「エナメル質」と呼ばれる硬い層で覆われていますが、むし歯菌が作り出す酸によって溶けてしまいます。フッ素はこのエナメル質に取り込まれることで、**酸に強い“フルオロアパタイト”**という構造に変化させ、歯を丈夫にします。
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再石灰化を促す
日常的に食べたり飲んだりすることで歯は少しずつ脱灰(カルシウムやリンが溶け出す)しますが、唾液とフッ素の助けによって再石灰化(修復)が進み、初期のむし歯を防ぐことができます。
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むし歯菌の働きを抑える
フッ素はむし歯菌の酵素活性を阻害し、酸の産生を抑える働きもあります。つまり、菌の力そのものを弱めてくれるのです。
フッ素はどんな形で使われているの?
日本では以下のような形でフッ素が活用されています。
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フッ素入り歯磨き粉(1000〜1500ppm)
日常的に使える最も身近なフッ素。多くの市販品に配合されています。
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フッ素洗口液(225ppm前後)
子ども向けに学校や家庭で用いられ、うがいによって口腔内にフッ素を届けます。
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歯科医院での高濃度フッ素塗布(9000ppm前後)
乳歯や生えたての永久歯をむし歯から守るため、定期的に歯科医院で塗布されます。
特に生えたばかりの永久歯(6歳前後)は表面が未成熟でむし歯に弱いため、フッ素塗布による予防効果は非常に高いとされています。
子どもに使っても大丈夫?フッ素の安全性
「フッ素って危険なんじゃないの?」という不安の声をよく聞きます。確かに、非常に大量に摂取すれば健康に影響が出ることはありますが、歯科で使う濃度や使用方法を守れば、安全性は高いことが世界中で確認されています。
適切なフッ素使用の目安(家庭での歯磨き粉)
年齢 | 使用量の目安 | フッ素濃度(ppm) |
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0〜2歳 | 米粒大 | 500〜1000 |
3〜5歳 | グリーンピース大 | 1000 |
6歳以上 | 1〜2cm程度 | 1000〜1500 |
※ 歯磨き後は水での「軽いすすぎ(1回程度)」がおすすめ。完全にうがいするとフッ素が洗い流されてしまいます。
フッ素は万能?限界と注意点も知っておこう
フッ素は非常に有効なむし歯予防手段ですが、これだけで完璧にむし歯を防げるわけではありません。
食生活の乱れ、間食の回数、歯並びの状態、唾液の質などもむし歯リスクに大きく関わります。
また、以下の点にも注意が必要です:
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フッ素入り歯磨き粉を誤って大量に飲み込むとお腹を壊すことがあります(特に小児は注意)。
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**フッ素中毒(斑状歯)**は、長期間にわたり過剰に摂取した場合に起こります。日常の歯磨き程度ではまず心配ありません。
まとめ:フッ素は“適切に使えば”心強い味方!
フッ素は、歯をむし歯から守ってくれる頼れるパートナーです。歯科医院での定期的なフッ素塗布と、家庭でのフッ素入り歯磨き粉の継続使用により、むし歯のリスクを大幅に下げることができます。
ただし、正しい使い方・年齢に応じた濃度の管理が大切です。お子さんの場合は、保護者が仕上げ磨きと量のチェックをしてあげると安心です。
これを機に、「毎日のフッ素ケア」を少しだけ見直してみませんか? 歯は一生の財産。未来の自分へのプレゼントとして、今から始めるむし歯予防を習慣にしていきましょう☺︎