鏡を見たときに
「歯の表面に白い汚れみたいなのがついている」
「ちゃんと歯磨きしているのに白っぽい部分が残る」
と気になったことはありませんか?
実はその白い汚れ、いくつかの原因が考えられます。今回は歯科医院の立場から、白い汚れの正体・見分け方・放置した場合のリスク・対処法まで詳しく解説します。
白い汚れの正体①:歯垢(プラーク)
最も多い原因が**歯垢(プラーク)**です。
歯垢は食べカスではなく、細菌のかたまり。白く、ネバネバしており、歯の表面や歯と歯ぐきの境目につきやすいのが特徴です。
歯垢は歯ブラシで落とせますが、磨き残しがあるとすぐに再付着します。特に
・奥歯
・歯並びが重なっている部分
・歯と歯ぐきの境目
は残りやすいため注意が必要です。
白い汚れの正体②:歯石(しせき)
歯垢が長期間落とされずにいると、唾液中の成分と結びついて歯石になります。
歯石は白〜黄白色で、歯ブラシでは落とせません。
歯石自体は痛みを出しませんが、表面がザラザラしているため、さらに歯垢がつきやすくなり、
・歯周病
・口臭
・歯ぐきの腫れ
の原因になります。
白い汚れの正体③:初期むし歯(ホワイトスポット)
歯の表面が白く濁ったように見える場合、初期のむし歯(ホワイトスポット)の可能性があります。
これは歯の表面のエナメル質が溶け始めている状態で、
・痛みはほぼない
・見た目だけ白い
という特徴があります。
この段階であれば、フッ素塗布や生活習慣の改善で削らずに治せる可能性もあります。
白い汚れの正体④:エナメル質形成不全・着色
生まれつき歯の表面が白く斑点状になっているエナメル質形成不全や、
ホワイトニング剤・歯磨き粉の影響で白く見えるケースもあります。
これらは病気ではない場合も多いですが、見た目が気になる場合は治療や審美的な改善が可能です。
白い汚れを放置するとどうなる?
「痛くないから大丈夫」と放置すると、
・歯周病が進行する
・むし歯が悪化する
・口臭が強くなる
・歯ぐきが下がる
など、後々大きなトラブルにつながることがあります。
特に歯石や初期むし歯は、自分では判断が難しいため注意が必要です。
白い汚れが気になったら歯医者へ
歯の白い汚れは、
・クリーニングで取れるもの
・経過観察で良いもの
・早めの治療が必要なもの
と原因によって対応が異なります。
歯科医院では、専用の器具で安全にクリーニングを行い、必要に応じてフッ素塗布や治療をご提案します。
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歯についている白い汚れの正体は一つではありません。
「ただの汚れ」と思っていたものが、歯周病やむし歯のサインであることもあります。
気になる白い汚れを見つけたら、早めに歯科医院でチェックすることが、歯を長く健康に保つ一番の近道です。