フロスについて|アピタ知立ファミリー歯科・矯正歯科|知立市長篠町の歯医者

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フロスについて

フロスについて

正直、「めんどうくさい」とか、「必要性が感じられない」だなんて思うかもしれません。
私も歯科の勉強をするまではフロスなんか面倒で全然していませんでした。
しかし勉強していくと、プラーク(歯垢)は歯ブラシだけでは取り切れないこと
歯と歯の間のプラークから虫歯や歯周病になっていくこと
口臭の原因になることを知りました。

話は少し変わりますが、そもそもなぜ歯医者のお姉さんはこぞって磨き残しをなくしましょう、プラークを減らしましょうと言うのでしょう。
それだけプラークがお口や体の健康に害を与えるからです。
上記の通り、虫歯、歯周病の原因が進んでいくだけでなく誤嚥性肺炎、菌血症、感染性心内膜炎、虚血性心疾患のリスクが上がるなどなど……
もはやお口だけの問題にとどまりません。
プラークには1mgに10の8~10乗、つまり億単位で300種類以上の細菌がいるのです。
ここで想像していただきたいのですが、そんなものがべっとりくっついていたら……

……ぞっとしますよね。

さて、プラークの為害性がほんのり分かったところで閑話休題。
なぜ歯医者さんはフロスをするよう口うるさく言うのでしょう。
それは、歯ブラシだけでは不十分だからです。
実は歯ブラシだけで除去できるプラークはおよそ60%程度しかないのです。
じゃあ残りの40%は……

そう。歯と歯の間です。しつこく残ったプラークが居座り続けているのです。
これを除去するにはどうするか。ここでフロスの出番です。フロスを使うことでプラーク除去率は大幅に上がり、約90%になります。

フロスの種類

  • 糸だけのもの持ち手つきの物
  • 持ち手つきのものにも画像のようなY字型
  • F字型のもの

それぞれ形別に特徴をご紹介します。

糸タイプ

指に巻いて使う、巻き取りタイプのフロスです。
歯全体のプラークを取り除くのに向いていて、前歯にも奥歯にもマルチに使えます。
持ち手がない分、指の力がそのまま伝わるので力加減がしやすく、糸をぴんと張った状態で使用することができます。
よって、歯茎の中のプラークや汚れをかき出しやすいです。
また、新しい面を繰り出して使えるので衛生的です。
使いづらい点としては、あまり慣れていない人にとっては奥歯が通しにくかったり、あまり浸透していないのもあって上級者向けではあります。

さて、糸タイプのフロスの中でも、ワックスタイプ、ノンワックスタイプ、エクスバンドタイプ、スーパーフロスなど様々な種類があります。

ワックスタイプ

糸にその名の通りワックスがついており、歯と歯の間に入れやすいという特徴があります。
しかし清掃能力でいうと、ノンワックスタイプと比べ劣る部分があります。
表面がワックスでコーティングされている分、プラークを絡み取りにくいのです。
ですから比較的よくこする必要があります。

ノンワックスタイプ

ワックスタイプと比べて入れにくさはありますが、プラークを繊維が絡め取ってくれるため、清掃率が高いです。
フロスに慣れてきたらノンワックスタイプに切り替えましょう。

エクスバンドタイプ

唾液でスポンジのように膨らむので最もプラークを取り除くことができます。
糸もスポンジのようにふわふわなので歯肉にも優しく、ポケット内のプラークを取り除くことができるため、フロスに慣れている方には最もお勧めできます。
難点として、歯と歯の間に入りづらいことが挙げられるため、入らない場合は隙間の大きさにあったフロスを使用することをお勧めします。

スーパーフロス

両端が固くなっていて(スレッダー)、ブリッジのダミーの歯(ポンティック)の下や矯正器具のワイヤーの下に通しやすいです。
特にポンティックの下は汚れが溜まりやすく、炎症を起こしやすいので、ブリッジの入っている方や矯正治療中の方にお勧めします。

糸ようじタイプ

持ち手つきのタイプです。

F字型は前歯向き

Y字型は奥歯向きです。

フロスを始めたての方にも使いやすく、まずこれから始めるのも良いでしょう。
デメリットとしては糸の張りが緩いので力加減がしにくいことと、糸の同じ面をずっと使用するので衛生的ではないということです。

使い方をご紹介します

デンタルフロス~糸タイプの場合~

  • まず40cmくらい糸を取ります。
  • 利き手と反対の中指に糸を2,3回くらい巻きつけます。
  • DSC06824-scaled.jpg
  • 指と指の間の糸が1cmくらいになるようにして、残りの分は利き手の中指にぐるぐる巻きつけておきます。
  • 糸を使っていくうちに汚れがついていくので、ぐるぐる巻きつけたほうから繰り出し式に使用していきます。
  • DSC06825-scaled.jpg
  • 歯の側面に添わせ、ギコギコ動かしながらゆっくり優しく歯の間に入れます。
    歯肉の中の2~3mmのところにも入れ込んであげましょう。
    こうすることで隠れプラークまで根こそぎ取り除けます。
  • そしてよくこすりましょう。あまり強い力でこすると歯肉が痛くなるので、優しくこすることを意識しましょう。

デンタルフロス~糸ようじタイプの場合~

基本的には糸タイプと同じです
元々持ち手がついているので、糸を切ったりする手間はないです。

よくある質問

Q1:「糸タイプと糸ようじタイプどちらがいいの?」と聞かれることがあります。
A:ご自身の使いやすいほうを選択すると良いです。
私個人の意見としては正直プラークがしっかりと除去できればどちらでもいいかなと思います。
人によって使いやすい道具は異なりますから、歯ブラシにせよ、デンタルフロスにせよ、使いやすくて効果が最も出るものがベストかと思います。
もちろん、種類によってプラークの取れやすさに違いは出ます。
その観点でいうと糸タイプのほうが種類は豊富です。
しかし無理やり使ってもうまく使えなかったり、いやになってやらなくなってしまっては本末転倒です。
まずは使いやすいものから手を付けて行って、徐々に種類を増やすのがいいかと思います。

Q2:「ワックスが付いているものと付いていないものとどちらのほうが良いのか?」
A:ノンワックスタイプのほうが汚れはしっかり取れます。
ノンワックスタイプのほうが清掃効果は高いですが、歯と歯の間の隙間の強さによってはなかなか糸が入らないことがあります。
その場合はワックスの付いているもののほうがフロスしやすいので、ワックスタイプも試してみると良いでしょう。
具体的に、小さなお子様(乳歯の場合)は歯と歯の間は隙間が大きいのでノンワックスタイプを使うと良いです。
大人の方で被せ物や詰め物の間はキツくなっていることが多いので、ワックスタイプのほうがおすすめです。

まとめ

プラークはとてもしぶとく歯に居座ります。
ねばねばで、くっつく力が強いのでうがいをした程度では落とせません。
歯ブラシをしても歯と歯の間の40%のプラークは残ったままです。
ですからフロスがとても大切なのです。
体の健康はまずお口から。お口が健康なほど健康寿命も延びていきます。
フロスをして虫歯や歯周病を予防し、おいしいご飯を食べ、健康に過ごしましょう!
また、セルフケアのご相談やお悩みありましたら、ぜひいらしてください。