こんにちは☼
アピタ知立ファミリー歯科です！
矯正治療をされている患者さまから「ベンドって何ですか？」「今日ベンドしましたって言われたけど、どういう意味？」という質問をいただくことがあります。
今回は、矯正治療の中でもとても重要な技術、「ベンド」について、分かりやすくご紹介していきます。
ベンドとは？
ベンド（bend）とは、直訳すると「曲げる」という意味。矯正治療においては、ワイヤー（針金）を細かく曲げて、歯の動き方を微調整することを指します。
矯正用ワイヤーは、もともと真っ直ぐまたは一定のカーブがある形で作られていますが、患者さん一人ひとりの歯並びや骨格、治療の進行具合に合わせて、適切に力が加わるように「ベンド（曲げ加工）」を行います。
このワイヤーのベンドによって、歯が「どの方向に」「どのくらいの力で」「どれだけ動くか」が変わってくるため、とても繊細で専門的な技術が求められます。
どんな時にベンドを使うの？
ベンドは以下のような目的で行われます：
- 細かな歯の位置調整
歯並びがほぼ整ってきた後、1本だけ少し前に出ていたり、角度がずれている場合にベンドで微調整を行います。 - 噛み合わせの調整
上下の歯がしっかり噛み合うように、ワイヤーを曲げて歯の傾きや高さを調整します。 - 歯のねじれ（トルク）のコントロール
歯が表面上まっすぐに見えても、実は根元がねじれている場合もあります。その場合、トルク（回転）の調整のためにベンドを加えることがあります。
ベンドはどのように行うの？
矯正専門の器具を使い、ドクターがワイヤーに小さな角度をつけたり、S字に曲げたりします。とても細かい作業ですが、患者さんの歯並びの完成度に大きな影響を与えるため、時間をかけて丁寧に行います。
また、ベンドを加えたワイヤーを装着すると、これまでとは異なる方向に歯が動こうとするため、調整後数日は少し痛みや違和感が出ることもあります。これは歯が正しい位置に動き始めているサインでもありますので、過度に心配しなくて大丈夫です。
ベンドは矯正治療の“仕上げ”に欠かせない
矯正治療では、最初に歯並びを大きく整える「レベリング・アライメント（初期段階）」があり、その後に「細部の仕上げ（フィニッシング）」に進んでいきます。
このフィニッシングの段階で活躍するのがベンドです。
たとえば、見た目はキレイに並んでいるように見える歯列でも、噛み合わせが少しずれていたり、上下の前歯の隙間が不自然に空いていたりすることがあります。そうした微妙なズレを丁寧に整えるために、ドクターが1本1本の歯の動きをコントロールしていくのが「ベンド」なのです。
マウスピース矯正にもベンドはある？
最近人気のマウスピース矯正（インビザラインなど）では、物理的なワイヤーは使いませんが、同じように1本ずつの歯の動きを精密に設計します。
そのため、ワイヤーベンドのような“手作業”ではありませんが、3Dデジタル上で微細な角度や移動量を計算し、「見えないベンド」が組み込まれているとも言えます。
まとめ：ベンドは“職人技”のような繊細なテクニック
ベンドは、矯正治療を成功に導くために欠かせない技術であり、患者さま一人ひとりの理想的な歯並び・噛み合わせに仕上げていくための“最後のひと押し”とも言えます。
当院では、患者さまの治療状況を丁寧に診ながら、必要なタイミングで適切なベンド調整を行っています。もし診療中に気になる言葉があったり、治療内容について疑問があれば、遠慮なくご質問くださいね。
理想の笑顔に近づけるよう、私たちがしっかりサポートいたします！