みなさんは「歯石(しせき)」と聞くと、歯医者さんで「取りますね〜」と言われて取ってもらうイメージがあるかもしれません。
では、その歯石はそもそもどうやってできるのか、ご存じでしょうか?
実は、毎日の歯みがきの“少しの油断”から、誰にでもできてしまうものなんです。
■ 歯石の正体は「固まった歯垢」
歯石のもとになるのは「歯垢(プラーク)」です。
歯垢は食べかすとは違い、細菌のかたまり。
歯の表面や歯と歯ぐきの境目に、白っぽくネバネバと付着しているものがそれです。
歯垢の中には、虫歯菌や歯周病菌など、何億という細菌がすみついています。
この歯垢が時間とともに唾液中のカルシウムやリン酸と反応して、固まってしまったものが「歯石」です。
つまり、**歯石は“石のように硬くなった細菌のかたまり”**なんです。
■ どれくらいで歯垢が歯石になるの?
歯垢は、放っておくと2〜3日ほどで石灰化が始まり、約1〜2週間で歯石に変わるといわれています。
特に、歯みがきが届きにくい場所や、唾液の出る位置(下の前歯の裏・上の奥歯の外側など)は歯石がつきやすいポイントです。
いったん歯石になってしまうと、歯ブラシではもう落とせません。
表面がザラザラしているため、その上にまた歯垢がつきやすくなり、どんどん歯石が成長していくという悪循環に。
■ 歯石があるとどうなるの?
歯石自体は「石」なので、直接虫歯になるわけではありません。
でも、問題はその表面にこびりつく「歯垢」。
歯石の表面は凹凸があり、細菌が増えやすい環境をつくります。
その結果、歯ぐきが腫れる「歯肉炎」や、進行すると「歯周病」の原因になります。
さらに歯周病が進むと、歯を支える骨が溶け、最悪の場合は歯を失ってしまうことも…。
そのため、歯石は早めに取り除くことがとても大切です。
■ 歯石を防ぐためのポイント
歯石の原因は「歯垢が残ること」なので、まずは毎日の歯みがきの質を見直すことが大切です。
- 歯と歯ぐきの境目を意識して、優しく磨く
- 歯と歯の間はデンタルフロスや歯間ブラシを使う
- 就寝前の歯みがきは特に丁寧に(寝ている間は唾液が減るため細菌が増えやすい)
- 定期的に歯科でのクリーニングを受ける
どんなに丁寧に磨いていても、磨き残しは少しずつできてしまうもの。
歯科医院での専門的なクリーニング(スケーリング)を受けることで、歯石をリセットし、清潔な状態を保てます。
■ まとめ
歯石は、放っておくと歯ぐきの炎症や歯周病を引き起こす“サイレントトラブル”です。
日々のセルフケア+定期的なプロケアで、歯石をためないお口づくりをしていきましょう。
「歯石がつきやすい」「すぐにザラつく感じがする」と感じたら、ぜひ一度クリーニングにお越しください✨